ポーテージ早期教育プログラムについて
NPO法人日本ポーテージ協会理事
ポーテージ認定相談員 中西慶子

 私が「ふたばの会」の個人のお宅を提供していただき、世田谷でポーテージ相談を始めたのは今から17、8年になります。その後、人数が増えたのを機に有志の方のご尽力で、「クローバーの会」として世田谷区立総合福祉センターの場所を借りてポーテージ相談を行うようになりました。

 数年前「ふたばの会」の記念パーティーで、当時相談にいらしていたお子さんたちが立派に成長し輝いている姿を見せていただき感激しました。私にとって、何より嬉しいひとときでした。

 ポーテージプログラムはアメリカ・ウイスコンシン州ポーテージ市で0歳からの発達に遅れや偏りのある子どもとその親のために開発されたプログラムです。現在、世界90カ国以上で使用されており、我が国では1980年、当時の厚生省から3年間助成金を得て、我が国への適用研究が行われ、現在では「新版ポーテージ早期教育プログラム」としてNPO法人日本ポーテージ協会から出版されています。その特徴は、一人ひとりの子どもの発達に応じた個別プログラムであること、親が指導の中心となって家庭の日常生活の中で指導すること、その指導の原理に応用行動分析(細かいステップに分ける、ほめる…)を用いるなどです。

 実際には、月1回くらい親とお子さんに面接してチェックリストの「乳児期の発達」「社会性」「言語」「身辺自立」「認知」「運動」の中からそれぞれ、今できそうなことや必要な課題を相談しながら決めて、その指導の方法を相談員は親にお教えします。その結果、親は子どもの発達の様子を正しく把握できつようになり、今子どもに何が必要であるかが見えてきます。

 「継続は力なり」とよく言いますが、まさにその通りだと思います。日々の小さな積み重ねが親にとっても子どもにとっても、大きな自信と力になります。ポーテージ相談は親や家族を支援する活動が大切だと考えています。就学問題や家庭の問題など、親が悩んでいることについて一緒に考える良きパートナーでありたいと考えています。同じ相談員が担当することにより、親と相談員が連携して子どもの発達を見守っていけます。なるべく早い時期に早期教育を始めるのをお勧めします。