玉川地域 S.
娘4歳が昨年の2005年7月環軸椎亜脱臼との診断を受け、頚椎後方固定手術を受けました。経験者として皆さんの参考になれば、また同じ病気で頑張っているご家族の少しでも激励になればと思い書かせていただきます。
ダウン症の人は3歳頃に頚椎の検査をした方がよいと言われていますが、娘の首の異常に気がついたのは2歳9ヵ月の時でした。
いつも首が左に傾いていることに気づき、2005年3月に成育医療センターの整形外科で受信したところ、環椎と歯突起との間の距離(AID)が6mmのズレがあり、脊髄腔が狭くなり神経が圧迫されているとのこと。まだしゃべれないので、本人から苦痛を訴えることはありませんが、特に左半身にしびれがあったようです。
確かに平坦な場所でもよくつまづき、歩いていて突然左の膝がガクッと曲がることもたびたびありました。そして手をつかずに左肩から倒れたり、右手だけで物を持つことが多くありました。手術直前には、排尿障害もでていました。
発病から手術まで、病院側とのやり取りを中心にまとめてみました。
2005年3月 首の傾斜に気づく。
4月22日 成育医療センターにてレントゲン検査。
環軸椎亜脱臼と診断され、早急の手術を勧められた。
成育では頚椎の専門医師がいないので、慶応病院整形
外科に紹介状を書いてもらい、翌週すぐに受診。
4月25日 慶応病院整形外科にレントゲンを持参し、診察。
「6mmなら経過観察でいいのでは?もし心配なら、成育で
MRI検査をして結果を見せて欲しい」とのこと。すぐ成育
に連絡し、早急に検査入院の日程を決める。
5月19日 成育医療センターにてMRI検査の結果、かなり脊髄を圧迫
している画像がバッチリ写っていた。医師は前回同様、
早急の手術を勧めた。
5月23日 慶応病院にMRIの結果を持参したところ医師も少しびっく
りした様子で、すぐに手術の予定をたてることになる。
手術までの間、簡易な頚椎カラーを装着する。
(入浴と睡眠時以外は常時)
6月7〜9日 慶応病院にてCT撮影のため検査入院。
7月6日 入院
心電図、レントゲン、採血、後頭部の髪を刈り上げる。
7月7日 頚椎後方固定術−『マーゲル法』といわれる手術
(所要時間4時間)
環椎(1番)と軸椎(2番)の間をチタン製のスクリュー
2本とフックで固定し、骨盤骨から骨移植をする。
−娘は骨に奇形があり2番と3番がついているそうです。
病室で待機していた親の元に執刀医が来てくださり、
「ほぼパーフェクトです」と笑顔で告げられた。
ホッとしたものの痛ましい姿で帰ってきた娘を見ると、
やはり痛々しくて涙が出た。頭はベルトで固定され、
体は抑制チョッキ、両手足も点滴等でカテーテルに
繋がれ、1週間寝たきり状態。
術後の熱が数日下がらず少々心配した。
7月14日 頚椎カラー完成。
今後数ヵ月は睡眠中も含め24時間つけっぱなし。
7月15日 歩行訓練開始。
寝たきりだったので歩行どころかお座りもできない。
7月16日 何とか50m位歩いた。体力は戻っていないが歩けるという
ことで退院許可がおりる。
7月17日 無事退院。
手術後までの様子はこんな感じでした。その後も毎月診察を受けていましたが、移植した骨盤骨が体に吸収されてしまうというアクシデントがあり、結局、頚椎カラーは7ヵ月間つけていました。幸いスクリューがベストの位置に入ったので良かったのですが、うまく入らなかった場合はハローベストをつける(体外式頚椎固定手術)ことになっていました。
現在では骨は安定しており、足腰もしっかりしてきています。運動制限はなく前転もOKだそうです。ちなみに、将来このスクリューを抜くことはないそうです。
手術がうまくいったことで、この程度で済みました。ですが退院後の生活も大変で、保育園は当然長期で休み、真夏に遊ばせるところを探すのも一苦労。そうでなくても頚椎カラーをつけているだけで暑くて、娘はかなり大変だったろうと思います。母も転倒に最新の注意を払う生活が続き、その他諸々かなりの疲労を強いられました。
皆さんも、もしお子さんの首の動き、手の仕草や歩き方に不自然な点があったら、早めの受信をお勧めします。まだ小さいお子さんは特にわかりにくいかもしれませんが、ぜひ一度先生にご相談してください。大きいお子さんでも後天的に症状が現れるケースも少なくないようです。注意して見てあげてくださいね。
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