21歳になります
烏山地域 K.

 毎朝ひげをそり、決まった時間に家を出て、一時間強の電車通勤、一日の仕事をこなし、定時に帰宅。乾杯のビールはひと口だけ飲んで「うまい〜〜!」tぽ満足。
 息子は12月に21歳を迎えます。
 小さくて柔らかくて泣いてばかりいたこの子も立派な成年です。

 赤ちゃんだった頃は、20歳がひとつの区切りで目標でした。
 20歳になる頃、どこで何をしているのか…どんな風に育って欲しいのかを思い描き、そこへ向かって子育てをしてきました。
 いろんな夢を描きました。和田さんがいつもおっしゃっていた「人から可愛がられる個に育てなさい」その通りに可愛がりました。明るくて陽気な性格だから友達が沢山いるといいな。社会に出て働けるようになったらいいな…(だって4人兄弟の長男だもの)
 難聴があったって、文字の読み書きが出来なくたって、ことばでの会話が出来なくたって、20歳になる頃には…と遠い先を思って暮らしてきました。今出来なくても、低い評価を受けても、息子なら出来ると信じて社会進出を目指しました。

 21歳を迎える今、就職して1年がたちました。夏休み3日、年末年始5日の休み以外、元気に会社に通っています。坦々と同じ生活をこなすことが出来ています。
 今年からは扶養も外れました。自分の保険証を持ち、立派な社会人となりました。会社の方たちにはとても可愛がられ、職場には大好きな女性がいて、共に働く仲間がいます。休日に誘ってくれる友達もいます。

 息子は幸せにみえます。”好きなもの”がいつもしっかりとあるのは笑顔の元ですね…今のところ、中学、高校、大学生の弟や妹の方が悩みも多く将来が見えません。迷う時、幸せの基準は何だろう…と考えると、息子の笑顔が答えてくれています。息子の笑い声に癒され、この笑顔こそが幸せの基準だなと思います。
 今後の目標は、グループホームで自立して生活出来るだけの人になることです。

 息子へ。
 いつも笑顔をありがとう…君がいてくれて楽しいよ。
 お給料と年金もありがとう。おかげで弟たちは大学へ通えるよ。
 ずっとずっと仲良くくらそう…



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