ジャンプジャンプ合宿に参加して
長谷川知子(医師、日本ダウン症協会理事)

 2012年2月4日〜5日、ジャンプジャンプの合宿に参加しました。成人の本人会として発足したジャンプジャンプの趣意には大賛成、喜んで参加させていただきました。知っている方が多く、こんにちは、久しぶりと歓迎を受け、嬉しくなりました。まずはボランティアさんとの顔見せ。ボラさん達には、前に全国大会で作った理解のための資料「ダウン症の基本」を渡し、成人なので大人として遇してほしい、特に年上の人には先輩として接してほしいことをお願いしました。ボラさん達はとても好い方達で、本人さん達とすぐにうち解けていました。特別参加?の南正一郎さんは39歳で男性ボラさんより遙かに年上なので、彼の「人生談義」に二人の男性ボラさんは聞き惚れておられたようでした。

 どこでもありがちな、大人になっていても「子供」と言われたり、「子供」扱いして余計な口出しがされたり、親の前では子供っぽくなったり、親に言われると(他の親でも)拒否するのに仲間だと素直に聴いたりといった光景は、ここでも見られました。「子供」というのは、本人主体の会ではそぐわない言葉でしょう。これはよろしくない、自己表現が苦手なご本人達の代弁者にならなくてはとの思いから、優しくない辛口支援者(私)は、嫌われることを恐れず、親御さんとのミーティングで“厳しく”指摘させていただきました。それに対し、「メンバー」の名称を使う提案がなされました。「子供」と言ったら罰金100円にしたらという声もあり、改善案はすんなり認められました。

 合宿で特別印象的だったのは、初日夜に行われたメンバーの皆さんとボランティアさんだけのミーティングで、私は特別許可を受けて傍聴させていただきました。テーマは「翌日のリクリエーションで何をするか」でした。言葉が流ちょうであってもなくても、また発音がどうであれ、皆さん意見をはっきり言っておられ、それも自己主張だけでなく、「皆で意見を出していこう」という声も聞かれました。意見を目標に向かってまとめていくことや、翌日の天候に左右されそうな遊びは明日決めるなど機転のきいた方向づけもされていました。今回選ばれた司会者は一番若い男性でしたが、まだ司会者の役割がよくわからず自分で決めなければと責任感を燃やし頑張ったのですが、それが裏目に出て、「お姉さん達」に司会をおろされ、不満で怒りをぶつけ、ボラさんや私にも訴えてこられましたが、終了を告げに来られた方が司会者にまとめ役をさせ収めてくださり、ナットク。会合の経験はまだ少ないのに、皆さん、これだけ立派にされたのは素晴らしいことです(国会より立派でしたよ)。 これから経験を積んでいけば、将来、メンバーだけで運営もできるようになると期待しています。

 私にとっても、いろいろ経験し学ぶことができた楽しい2日間でした。



ふたばの会ホームページ