ジャンプジャンプ合宿に参加して
ボランティア K.

 この度は,ふたばの会の合宿に参加させていただきありがとうございました。簡単ではありますが感想を書かせていただきます。今回の合宿では,ご両親から離れて他のお友達やボランティアと一緒に過ごすことを目的の1つに設定していたと伺っております。そこで,合宿を通して最も長時間にわたりご両親と別の場所で過ごした寝室での出来事について書かせていただきます。

 私は,N君,S君のお二人と同じ部屋でした。比較的年齢が近い男3人ということで,N君もS君も私も緊張しているという様子はありませんでした。一段落ついてさて何の話をしようかと頭の中で考えていると,S君が私に携帯を渡して下さったので,受け取ってみてみると,画面にAKBの写メがUPされていました。N君も一緒になって,やれこの人は前田敦子だ,AKBのセンターにいる人だ,スタジオパークにいた人だなどという話題になりました。すると今度はN君が犬かなにかの写メを見せて下さったので,今度は,やれオレは猫を飼っているのだとか,そんなような話題で盛り上がりました。

 今思えば,S君が携帯をみんなに見せてくれたのをきっかけに,N君がその話題に乗って下さったおかげで,携帯の写真を媒介にして3人で1つの話題を共有することができたのだと思います。大変嬉しいことでした。
 お風呂を終えたあとは,N君は日中からずっと気になっていたことを私に話して下さっていたのですが,途中で思いを手紙に書いてみたらどうかと提案したところ,椅子に座って集中して思い(?)を綴っていました。S君は荷物を整理したり携帯を操作して過ごしていました。ときどき,お母さまからきたメールをみせてくれました。

 S君と私が電気を消して寝た後も,N君は一時間くらい机にむかって思いを綴っていました。いつ寝るのかと聞いたら1時までは寝ないとおっしゃっていましたが,12時頃には作業を終えたようで電気を消していました。

 翌朝,最初に起きたのはS君でした。彼は誰よりも丁寧にシーツをたたみ,カーテンを両端によせて準備をすませていました。さすが社会人,私も見習わなければ,と反省しました。N君も挨拶をして,すぐにシーツの片付けを始めました。お二人とも生活がしっかりしていると思っていたところ,すぐ近くの部屋にいるお母さまに電話をかけていて,ちょっとおもしろかったです。

 私は普段,大学院生と学校の講師をしています。大学院生として私は,子どもを研究の対象としてみます。そこには,「研究者-被験者」というなんとも言えない関係があります。また,学校の講師としての私は,子どもを教育の対象とみます。そこには,多かれ少なかれ「教える者-教えられる者」というこれまた微妙な関係があります。平常このような前提に立って障害のあるお子さんと関わっている私にとって,今回のボランティアのように,パワーバランスと申しますか,そういうややこしい関係が無い状態で,お互いに今の時代を生きる若い世代の仲間として一晩過ごせたことは,大変,有意義な時間でした。
 N君,S君のお二人にまた会える日が楽しみです。 



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