アトリエ・エレマン・プレザン佐久間寛厚氏講演会に出席して

 娘(18歳)は、10年以上アトリエ・エレマン・プレザンでお世話になっています。アトリエでの作品制作の日は、佐久間先生、よしこ先生をはじめスタッフの方々は、こどもたちの作品制作に全精力を集中されていますので、大きな相談事等がない限り、ゆっくりとお話をする時間はありません。なので、今回のように佐久間先生のお話を改めてきちんと聴く機会を作っていただいたことは、たいへんありがたかったです。佐久間先生は、ブログのあの饒舌さとは別人のようですが、直接会ってお話をする時に、一言一言をとても慎重に選び、考えてさらに考えてから発言されるので、どちらかというと口下手(佐久間先生すみませんヾ(_ _。))のタイプです。でも吟味された言葉は、揺らぎのない、穏やかですがとても強い信念を伝えるものです。昨日の講演も、先生の誠実さと愛情、ピュアで頑固な信念が、みなさんに伝わったと思います。長い間、アトリエとかかわっている私自身も、アトリエの理念や、ダウン症者をとりまく環境&人はどのようであるべきか、ということを、改めて学びました。

 アトリエの先生やスタッフの方々は、ダウン症の人を「尊い人」として認識し、付き合ってくださっています。それは、上の立場から「何かを教える、援助する、育てる」という姿勢とは全く違い、「もともとすばらしい人たちが、本来の姿で生きることができるように」という同じ高さのものです。今回のお話でも、それをとても感じました。

 私が、特にお話の中で心に刻みつけたことは、☆「ダウン症の人の目から外を観てみるとどう感じるか」☆「ダウン症の人たちは、一見ゆっくりと生きていうように見えるけれど、心の動きは非常にスピードがある」こと。☆「(他の人との)最初の出会い方が、重要である」こと。です。今現在、まだ混沌とした不調の中にいる我ら母子ですが、娘にとってエレマンプレザンという空間と時間と人があることが、癒しと希望となっています。昨日、講演を聴きながら改めて、出会ったことに感謝しました。また、ぜひ、佐久間先生の講演の機会をお願いいたします。
(砧地域 H.)



 うちの息子(2歳)も4月から保育園デビューを果たしました。大人の勤務時間より長い保育園での生活で、いろいろなことを学んでいるようです。家に戻ってくると、今まで以上に甘えん坊だったり、頑固だったり、いろいろな表情をみせてくれます。

 最近特に感じるのは、「何か言いたいことがあるけど言えない」「したいことがあるけどできない」と、両手を左右にバタバタと振ってもどかしさを表現していることがあります。
 人は、何かメッセージを伝える時、言葉で伝えることが多いでしょう。でも、子どもたちの中には、言葉で伝えることが得意ではない子もいるはずです。最近、Diversity「多様性」という言葉をよく耳にしますが、子どもたちの自己表現の方法も言葉の他に、歌、踊り、楽器、絵画、物づくり、ICT利用など、もっともっと多様化してよいのではないでしょうか。

 そういった点で、今日の佐久間寛厚さんのお話は、とても共感できるものでした。特に、佐久間さん自ら「専門家ではない。」「子どもと一定の距離を置く。」とお話しされ、純粋な目で子どもたちの感性の原石を、絵画を通じて引き出されているのだと感じました。また、子どもたちにとって、「感性を教育しないこと」「大切なのは親の愛情」というお話も、心に響く言葉でした。私たちが日々投げかける表情や語りかけそのものが、実はまっすぐに子どもの心に届き、子どもの感性を育んでいく原石の一粒一粒になるのかもしれませんね。
(北沢地域  I .)


ふたばの会ホームページ