赤ちゃんの頃

おとなしい赤ちゃんが多いです。手がかからない、育てやすいという親御さんが多いです。目が覚めていたら、意識して話しかけ、抱っこしてあげましょう。
ゆっくり育つ赤ちゃんです。ダウン症の赤ちゃんは筋力が弱いので、首の座り、お座り、はいはいなどの運動機能の発達は一般の赤ちゃんよりも時間がかかります。
歩きはじめは大体2歳頃と言われています。
言葉が出るのもゆっくりの場合が多いです。
運動機能の発達や言葉の発達をうながすため、療育を受けるケースが一般的です。
また、離乳食についても月齢で決定するのではなく、赤ちゃんの発達度合い(首のすわりなど)をみて開始します。
舌を押し出したり、丸呑みする傾向のある赤ちゃんも多いため、口腔外来等で嚥下の療育を受けることもあります。
いずれにせよ、焦らずゆっくりと育てることが大切です。
就学前(幼児期)

合併症などがあれば手術等の治療をします。またダウン症特有の疾病もありますので、定期的に健康診断を受けます。
家族での食事、外出、旅行、季節の行事(誕生日やクリスマスなど)を楽しんでいます。兄弟姉妹とも一緒に遊んだり、ケンカしたりと、普通の家族と同じように過ごしています。
最近は共働きの家庭が多く、保育園や幼稚園を利用しながら、皆さん仕事と育児を両立しています。
小学生

どこに通うの?
地域の小学校の通常級、特別支援学級、特別支援学校のいずれかに通うことになります。ふたばの会では、通常級、特別支援学級、特別支援学校、それぞれの就学先の割合は同程度です。
どのようにして通う?
世田谷区では就学先の選定にあたっては親の決定が尊重されます。また、通常級の児童に対し親の付添を求めることはありません。支援員によるサポートもあります。
支援学校では通学バスがあり送迎をしてくれます。
通常級や支援級で、送り迎えが必要で家庭では難しい場合には移動支援サービスが利用できます。
放課後の過ごし方は?
学童クラブは障害のある子は小学6年生まで利用できます。
全ての世田谷区立小学校にはBOP(放課後子ども教室)があり、1年生から6年生まで放課後18時まで校内で遊んで過ごすことができます。学童クラブはBOP内にあります。
BOPは特別支援学校の児童も利用できます。
また他に、知的障害のある子のための放課後等デイサービスがあります。放課後ならびに長期休暇に対応しています。
(こちらは高校生まで利用できます)
習い事や余暇の過ごし方は?
くもんやスイミング、絵画教室、書道やピアノ、ダンスなどの習い事をする子が多いです。
習いごとや放課後の活動の中で、仲良しのお友だちもできます。みんなの人気者になることも!
また、ニンテンドーswitchなどのゲームを楽しむ子も。
中学生


どこに通うの?
小学校と同様、地域の中学校の通常級、特別支援学級、特別支援学校のいずれかに通うことになります。
小学6年生の段階で、区の教育委員会の中学進学相談を受けるケースが多いです。
どのようにして通う?
通学バスで通うケースや、移動支援を使って通学するケース、またひとりで徒歩やバス、電車を使って通学する人もいます。
放課後の過ごし方は?
部活動に所属したり、放課後等デイサービスに通う、児童館や図書館、あるいは世田谷区の自習室を使うなど、放課後の過ごし方もさまざまです。
余暇の過ごし方は?
地域のボランティア活動に参加する人や、家族旅行やカラオケを楽しむ人など、余暇活動の範囲も広がります。
また、位置情報確認のために小学生の頃からスマホや携帯電話を持たせている家庭もあり、電話やSMS(ショートメール)、SNS(LINEなど)を使いはじめる人もいます。音声入力や画像を添付する、ビデオ通話にするなど、それぞれが工夫を凝らして使っています。
高校生

どこに通うの?
高校はほとんどの人が特別支援学校に通っていますが、定時制高校やサポート校、通信制高校に通うこともできます。都立普通高校でも定員割れの場合受け入れています。
特別支援学校では卒業後の就労に向けての教育と実習が始まります。
どのようにして通う?
一人で公共交通機関を利用して通学できるようになります。
余暇の過ごし方は?
高校生になればスマホを使いこなします。LINEで家族や友人たちと連絡を取り合うことができます。
YouTubeを見たり、ゲームも好きです。
成人期


学校卒業後の生活は?
学校を卒業した後は、企業等へ一般就労するか、福祉作業所などへの福祉就労、生活介護などになります(生活介護の場合は送迎があります)。
20歳からは障害基礎年金が受給できます。
一般就労でも福祉就労でも、みなさん障害基礎年金を受給しながら働いています。
一般就労では厚生年金に加入しますので、将来は老齢厚生年金を受給できます。
企業には定年がありますが、福祉作業所では高齢になっても仕事を続けられます。
日常生活は?
グループホームに入居してそこから職場に通う人もいます。ホームによって状況は違いますが休日は家に帰るところが多いです。
生活面やお金の管理において、ある程度のサポートは必要になりますが、料理、洗濯などの家事や、買い物も一人でできる人は多いです。
また、初めての場所に一人で行くのはなかなか難しく、手助けが必要なこともありますが、知っているところへは一人で通うことができます。
計画通りに(いわゆるルーティン)行動することも得意です。
余暇の過ごし方は?
小さい頃からの習い事を続けている人も多く、長年の鍛錬でプロ並みになっている人もいます。
家族旅行、カラオケ、スポーツ観戦、映画鑑賞やコンサートなど趣味を楽しんでいます。
高齢期
高齢になったら施設か老人ホームに入ることになると思われます。
50年前、ダウン症のある人は寿命20年といわれていました。
現在は60歳~70歳くらいで、将来は80歳以上まで延びるといわれています。
ダウン症のある人は退行現象が起こることがある、老化が早いなどといわれますが、個人差が大きく、よくわかっていません。
ダウン症のある人の老後についての情報はあまりありません。